すべてのウェブサイト
Kepstan® PEKK: 過酷な環境に適用可能な新しいスーパーエンプラ
Kepstan® PEKK Monomers
Kepstan® PEKK(ポリエーテルケトンケトン)樹脂はコポリマーであり、テレフタル酸(左、T)とイソフタル酸(右、I)の二つのモノマーを組み合わせています。この二つのモノマーの比率をT/I比といいます。

ポリマーの性能

Kepstan® PEKK ポリマーは、究極のパフォーマンスを必要とする用途向けに設計されています。

  • 優れた連続使用温度 (CUT) 250~260°C
  • 優れた機械強度: 引張、圧縮、衝撃
  • 優れた難燃性、低発煙性、燃焼時に発生するガスの低毒性
  • 優れた耐薬品性
  • 室温から高温における高い絶縁耐力
  • 優れたバリア特性 (二酸化炭素、硫化水素など)
  • 温度依存性の少ない安定した耐摩耗性と摩擦係数

3つのシリーズ

種類

T/I 比

融点 (°C)

ガラス転移点(℃)

結晶化速度

典型的な加工法

8000

80/20

358

165

速い/結晶性

射出成形

押出成形

7000

70/30

332

162

中程度/結晶性

複合材料

熱成形フィルム

6000

60/40

305

160

遅い/非晶性のような振る舞い

3Dプリント

粉体塗装

調整可能な加工性

アルケマの Kepstan® PEKK は、PEAK(ポリアリールエーテルケトン、PEEKはその1種)に属するスーパーエンプラの1種であり、二つのモノマーからなるコポリマーです。テレフタル酸 (「T」) モノマーとイソフタル酸 (「I」) モノマーの比率を適切に調整することにより、性能の面で高度にカスタマイズしたり、微調整をしています。この「T/I」比率をコントロールすることで、アルケマは、最終部品の製造方法やその用途に応じて、さまざまな結晶化速度と溶融温度を有するグレードを製造することができます。

また、アルケマ独自の分子量制御により、高流動性から高粘性の4段階の異なる流動特性(MVR、メルトボリュームレート)を有するグレードを提供しています。さらには、ガラス繊維やカーボン繊維、摺動性を付与する添加剤などを添加したグレードも提供可能です。もちろん、お客様で様々な樹脂添加剤を充填し、コンパウンドすることも可能です。

T/I比率と4段階の異なる流動特性により区分されたグレード構成により、押出成形、3Dプリント(SLS:選択的レーザー焼結、およびFFF/FDM:溶融押出法)、粉体塗装(パウダーコーティング)、射出成形、回転成形、そして複合材のUDテープ製造のための含浸が可能なグレードといった、ポートフォリオを完成させることができました。 特定の工程で製造される特定のグレードは、後処理やアニーリング条件を詳細に詰めることで、さらに最適化させることができます。

Kepstan® PEKKの粉体塗装

Kepstan® PEKK による粉体塗装により、褐色透明な非晶状態の塗膜が得られます(以下の写真の右側)。これを結晶化させることなくそのまま利用することも可能ですが、アニール処理を施してアイボリー調の不透明な結晶化した塗膜(以下の写真の左側)を得ることもできます。非晶状態のKepstan® PEKK塗膜は高い柔軟性を保持し、特に激しい熱サイクルにさらされる部品での塗膜密着性が良好です。結晶状態のKepstan® PEKK塗膜は、より優れた耐熱性、耐薬品性、耐摩耗性を発揮します。
粉体塗装のご相談は、弊社までお気軽にお問い合わせください。
Picture3.png

           

グローバルな供給体制

Kepstan® PEKK樹脂は、米国とフランスで製造しています。 アルケマの機能性樹脂事業部の製品として製造、販売、サービスを行っています。

Top