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植物由来ポリアミド11の生産における
カーボンフットプリント削減

カーボンフットプリントの数値を改善するために考慮すべきパラメータはが複数いくつかあります。現在、アルケマはポリアミド11(PA11)の無条件カーボンフットプリント値として、1単位あたり1.3kg CO₂を提供しています。 アルケマのアプローチの特徴を紹介します。

対象製品: 全世界で生産される全てのアミノ11モノマーとRilsan® PA11
地理的な適用範囲: 全世界
エネルギー使用: 再生可能エネルギーを製造プロセスに使用

※アミノ11を含むすべてのポリマーはこの範囲に含まれます。製品毎のより詳細なカーボンフットプリント情報については、当社までお問い合わせください。

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プロセス: 100%分別された植物由来PA11の生産
原料: ヒマシ油 - 森林破壊、食物との競合、倫理的な労働条件、公正取引など、倫理や環境への影響に妥協はありません
割り当て: 原料のマスバランス配分なし
価格: 持続可能性向上のための価格プレミアムなし

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ライフサイクルアセスメント(LCA)におけるカーボンフットプリントの評価

アルケマは材料メーカーとして、製品ライフサイクルの「原材料調達から出荷まで」を範囲として材料の影響を評価しています。スコープ3 上流には、ポリマーへの変換プロセスで使用されるトウゴマ(ひまし油の原料作物)とその他の原材料が含まれます。アルケマによるトウゴマ栽培コミュニティとの積極的な協業の結果、実際の農地から信頼できる農業データを入手しています。

二酸化炭素排出量をさらに削減するためのアルケマの主な取り組み:

  • 原材料(植物由来やリサイクル)やエネルギーなど、再生可能な資源を生産に使用
  • プロセス効率の改善
  • 輸送の最適化
  • 環境負荷の少ないサプライヤーからの調達
この画像は、原材料調達から出荷まで製品廃棄までのライフサイクルを示すフロー図です。原材料の調達から始まり、バイオ原料調達の場合は樹木、化石資源由来原料調達の場合は掘削井戸ポンプで象徴され、工場の建物と家屋で象徴される製造と使用を経て、ゴミ箱ビンやリサイクルのアイコンで示される廃棄やリサイクルで締めくくられます。プロセスの流れは矢印で示されており、図の上に表示されるある「エネルギー使用」という言葉は、このライフサイクルが各段階でのエネルギー消費も監視していることを示唆していまする。この図は、製品開発における環境への影響と、製品開発における持続可能性措置とを評価する段階つまり「スコープ」の評価の段階または範囲を説明しています。 この図では、ライフサイクルの初期段階を「上流」、製造・使用段階を「生産」、製品寿命を終える使用済み段階を「下流」と表現しています。さらに、「原材料調達から出荷ゲートまで」と「原材料調達から廃棄まで」についても言及されており、それぞれ製品ライフサイクルの初期から工場ゲート(消費者に出荷輸送される前)、または初期から最終的な廃棄までの環境影響を評価するアプローチです。

ポリアミド11の1kgあたりCO₂ 2kg未満

ポリアミド11の生産チェーンにおいて、アルケマはトウゴマから採取される植物由来原料を使用しています。これは、スコープ3のアップストリームにおいて、化石資源由来ポリアミドよりも低い二酸化炭素排出量を実現する主な要因となっています。

2023年1月より、アルケマはENGIE社と年間300GWhの再生可能バイオメタンエネルギーを調達する契約を締結し、PA11をはじめとする植物由来ポリアミド材料のカーボンフットプリントを更に削減しました。バイオメタンとは、天然ガスに代わる再生可能なエネルギーで、有機物の発酵によって生産され、カーボンフットプリントが低いのが特徴です。

2023年にポリアミド11のカーボンフットプリントを大幅に削減し2kg CO2e/kg(1)未満に達したことを発表して以降、当社は関連工場全体に再生可能電力を導入しました。その結果、植物由来Rilsan® PA11の二酸化炭素排出量をさらに1.3kg CO2e/kg(1)まで削減するという新たなマイルストーンを達成しました。ISO14040、14044、14067規格に従ったこの数値は、2025年1月以降のRilsan®ポリアミド11のグローバル生産に適用されます。

ライフサイクルアセスメント(LCA)への取り組み

LCAに関する専門知識

アルケマには、ライフサイクルアセスメントとその手法を専門とする社内チームがあります。このチームには、LCAの専門家が所属しており、様々な国際的ワーキング・グループにも参加しています。

原材料の調達から出荷までを対象範囲としたアルケマのカーボンフットプリント算出は透明性が高く、第三者による監査を受け、認証も更新されています。製品のカーボンフットプリントは ISO 14040:2006、ISO 14044:2006、ISO 14067:2018の各規格に基づき算出されています。

システムの境界

私たちはシステムの境界を「原料の調達から出荷まで」と定義し、原材料の採取(調達)から工場のゲート(製品が顧客へ出荷される前)までのすべてのプロセスを考慮しています。つまり、総質量と総エネルギーに寄与するすべてのインプットとアウトプットが含まれ、5%を超える明確なカットオフは行っていません。

アルケマでは、製品の環境への影響測定・比較に一貫した基準を提供するため、アルケマにより製造された製品の1kgを機能単位として使用しています。

データソースとツール

LCAの計算は、アルケマの生産拠点情報から直接入手した一次データと、アップストリームに対してはEcoinvent v3.9やPlastics Europeなど、定評のあるLCA参照データベースから入手した二次データに基づいています。

ライフサイクルアセスメント(LCA)は、SimaPro® 9ソフトウェアを使用して実施されます。IPCCの2021年GWP100法を適用し、CO2吸収量も含めて、今後100年間を時間軸としたアルケマ製品の地球温暖化係数(GWP)を計算しています。このようにアルケマのカーボンフットプリント計算は、最新かつ最も包括的な地球温暖化係数データに基づいています。

包括的ライフサイクルアセスメント:カーボンフットプリント以外の指標

ライフサイクルアセスメント(LCA)では、カーボンフットプリントだけでなく、酸性化、富栄養化、資源枯渇など他の影響も計算されます。

このような複数の指標を用いた評価は、より包括的な材料間の比較を可能にします。トレードオフの関係にある指標間の解釈と分析には注意が必要です。例えば、バイオベース材料と化石資源由来材料を比較する場合、考慮される指標(水使用)によっては化石資源材料が有利になる可能性があり、より広い観点からすると正当化されないかもしれません。

別の例として、食料との競合や社会的な便益というような要因は、LCAでは明確に評価されません。

アルケマのアドバンスト・バイオサーキュラー(ABC)材料は、私たちのお客様がより持続可能なソリューションを志向して材料を選択するプロセスにおいて、より広範な視野で対応します。

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