アルケマは、フランス・ノルマンディーにあるセルダト研究センター内に新設された「バッテリードライコーティングラボ」を、顧客およびパートナーとともに正式に披露しました。
この最先端施設は、リチウムイオン電池業界に特化したアルケマのグローバルな研究開発ラボネットワークを補完するものであり、持続可能性と高機能ソリューションの先駆者としてのアルケマの戦略的な取り組みを体現しています。
アルケマの セルダト研究センター (CERDATO) に新設されたラボは、リチウムイオン電池電極の乾式プロセスの探究と技術革新に完全に特化した施設です。この革新的なアプローチは、電極製造における大きな転換を意味します。溶剤の乾燥工程を不要にすることで、エネルギー消費を大幅に削減し、電池製造におけるカーボンフットプリントの低減に貢献します。また、製造工程の簡素化により、従来の湿式法に比べて、より資源効率が高く、環境負荷の少ない代替手段となります。
このラボには、汎用性と精度の高い電極製造を可能にする2つの補完的な技術が導入されています。1つ目は「ダイレクトカレンダリング方式」で、均一かつ一貫性のある電極層を、厚みを制御しながら製造することができます。2つ目は「電着(エレクトロデポジション)」で、材料の高度な積層やカスタマイズが可能となり、電極設計や性能最適化においてより高い柔軟性を提供します。
この新しいラボは、エネルギー転換を支援するというイノベーションとコミットメントの精神を体現しています。この施設の設立は、私たちが長年培ってきた粉体加工技術の専門性に根ざしており、より持続可能なプロセスの開発を可能にする重要な要素です。乾式プロセス技術を通じて、より効率的で環境負荷の少ない電池製造の実現に貢献しています。この共通の目標に向かって、私たちのチームとパートナーが一丸となって取り組んでいることを誇りに思います。
アルケマは、ドライコーティング用途に最適な先進マテリアルの包括的なポートフォリオを展開し、この分野で積極的に活動しています。主な製品には以下が含まれます。
- Kynar® PVDFグレード(エマルジョン重合によって製造):優れた接着性と電気化学的性能を提供
- Incellion™ アクリルポリマーおよびモノマー (英語):優れた柔軟性と加工性
- ポリアミド:機械的強度と耐熱性を発揮
電動モビリティとエネルギー貯蔵への移行が加速する中、バッテリー技術はアルケマにとって重要な成長分野となっています。アルケマは、リヨン地域にある「Christian Collette センターオブエクセレンス」を中心に、中国、韓国、日本、米国のR&D拠点を通じて、バッテリーのバリューチェーン全体にわたる先進マテリアルの開発を推進しています。
2024年末に稼働を開始した「バッテリードライコーティングラボ」は、主要なセルメーカーや自動車関連企業との協業によるイノベーションの拠点となっており、ドライコーティング技術の産業導入を加速することを目的としています。
このラボの開設は、次世代バッテリーソリューションの実現に向けたアルケマの新たな挑戦の幕開けであり、クリーンモビリティとエネルギー貯蔵へのグローバルな移行を支える重要な役割を担っています。