Orgasol® はコーティング表面に特徴的な「手触り感」を付与する添加剤としても使用されています。5~60ミクロンの範囲で平均粒径を選択できるOrgasol® は、コーティングの膜厚とグレード選択による平均粒子径の比率を調整することで、滑らかな触感から粗目の手触り感へと変化させられます。このように、Orgasol® の特異な球形状と粒径分布幅の狭さにより、手触りの良さと滑り止め性を兼ね備えた、均一でユニークな表面質感が得られます。
Orgasol® とRilsan® Dの粒子形状
Orgasol®とRilsan® Dは、それぞれ製造工程が異なるため、コーティングに添加した際の表面質感は異なったものになります。Orgasol® は、重合プロセスで直接、造粒します。粉砕による粉末形成は行いません。
一方、Rilsan® Dは、重合して得られる塊を粉砕し、粉末形成します。電子顕微鏡写真を撮影すると、Orgasol®とRilsan® Dの形状の違いは明らかです。
Orgasol® 2002 ES5
Rilsan® D NAT
Orgasol® もしくはRilsan® Dで表面の「手触り感」を形成
コーティング表面に「手触り感」をだすには、コーティングの乾燥被膜厚 (DFT) より大きな平均粒径のOrgasol® またはRilsan® Dを選択してください。添加したOrgasol® の粒径が最適ならば、「やわらかい触感」や「さらっとした触感」が得られます。添加したRilsan® Dの粒径が最適なとき、「砂のようにざらついた」または「やすりのような粗い」触感が得られます。
Orgasol® の特徴
- やわらかい手触り感を付与
- 粒径分布の幅が狭い
- ユニークな粒形状
Rilsan® Dの特徴
- 「砂のようにざらついた」「やすりのような粗い」触感
- 粒径分布の幅が狭い
- 不規則な粒形状
100%UV硬化コーティングへのOrgasol® の添加効果
Orgasol® とRilsan® Dは、添加対象のコーティングに求められる特性のうち2項目以上の改善が期待されているときに有効です。例えば、Orgasol® をUV硬化コーティングに添加すると、より柔らかな手触り感が得られます。 さらに、コーティングの艶消し効果が得られたり、コーヒーなどのシミに対する防汚染性を高めたりできます。しかも、他のコーティングの特性に悪影響を及ぼしません。
配合組成
成分 |
メーカー |
重量 % |
CN6510EU | Sartomer | 87.0 |
Orgasol® 3501 EXD NAT1 | Arkema | 4.3 |
Byk® 2008 | Altana | 0.4 |
Acematt® 3300 | Evonik | 4.0 |
Speedcure 73 | Lambson | 4.3 |
触覚特性:やわらかい手触り感
光沢度 (85°)
- シリカのみの配合:34 UB
- Orgasol® とシリカ:27 UB
物理的特性
- Persoz硬度:155 s
- 耐スクラッチ (傷付き) 性 (鉛筆硬度):7H
耐汚染性
- Orgasol® 配合によるコーヒー染み耐性の発現
コーヒー染み (6時間後、シリカのみの場合)
コーヒー染み (6時間後、シリカ+Orgasol® 配合)